オバケちゃんへ/モリマサ公
そこが今の自分にとってリアルに欠けるというと
T堂さんは怒ってしまった
今の気持ちを手紙を書いて渡してみたけれど
T堂さんはそこに存在していないかのようにふるまった
それから教室の中で楽しそうにするT堂さんをみかけたりすると
わたしはその存在に不信をおぼえた
彼女はここに本当に存在しているのだろうか
それからわたしは自分自身にも不信感をおぼえる
わたしは本当にここに存在しているのだろうか
わたしたちはみんなオバケなのかもしれない
窓からは風がどうっとふきこんできて
はっぱたちはざわざわとゆすれている
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