オバケちゃんへ/モリマサ公
 
先週教室のみんなで飼っていた「リス」が死んだ
死んだというか「窓」から逃げたのだ
クルミを食べるときに動くほっぺや小さな歯
かごの中を走ったりしているときの爪のかりかりする音
たいそう人気者の「リス」だったのに突然いなくなってしまった
教室で飼っている魚や虫は死んだりいなくなったりする
お家の事情で転校したり
わたしたちも学年があがればこの教室からはいなくなったりする
連絡帳にいなくなったことについての悲しみを丁寧に書いて先生にほめられるこもいるし
ただじっといなくなった窓をみているこもいる
図書係のT堂さんはそういうときいつも黒板にみんながみえるように
「さよならリスちゃん
[次のページ]
戻る   Point(15)