星の刻印/ノボル
あなたが
海辺の砂に横たわって
その乳房をわずかに星が象っていた時
僕はただ
少しの影さえも見のがすまいと
シャッターを切りつづけた
星はうるさいほどで
波の音さえ聞こえなかった
君をたえまなく
濡らし続ける海の往復は
それでも
時々は止んだりしたけど
すぐにまた勢いを取り戻し
不意に僕の耳を撃つ
星がいよいよ
都会の街灯りみたいになって
冬がやってきたとき
いっそのこと
僕も連れて行ってくれればと
何度も願った
あの海に立つ
あなたが横たわった海辺の砂を
幾千回
波は洗っていく
今では
僕の机の上の写真だけが
あらゆる証明
あの海に
今も
星だけが照る
あなたの刻印をして
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