つみあかり/Monk
 


思い出が多すぎるので
半分くらい小石にかえる
かよわい子犬のおしりに
ぶつけながらかえるみち


つみびとごっこ
ひとりじゃつまらない
とがめられないし
とがめられないし


夕暮れだからみんな
時間だからみんな
ばいばい
つみびとはこどくなのだ
ひとりあるくものなのだ


ああ、
でも月がみている、
月が、
と思ったら電柱のあかり


思い出が多すぎるので
残りもみんな小石にかえる
ぺちぺちとぶつけながら
子犬に、月に、


ついてくる
ついてくる


つみびとは
ひとりはしりだすのだ


ぼくももうかえる
だまっておひっこしの準備をしている
うちにかえる

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