プルーフロック氏に贈る恋唄/佐々宝砂
 
ばらを数えることだってできる。
私は美しいヒロインだったことがない
なりたいと思ったこともない、なぜなら
ヒロインにはヒーローが必要だからだ。

ヒロインじゃないから私はここにこうして立ってる。

暮れかかる空ゆるやかな軌道をえがいて何かが飛ぶ
あれがUFOだったらいいのにと思いながら
私は仰向いて歩く。
禁欲という快感、饒舌という沈黙、過剰という不満。
私はどこまで壊れたらいいのだろう。

きりもみしながら
ちっぽけなUFOが私の膝に落ちてくる。


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