プルーフロック氏に贈る恋唄/佐々宝砂
 
さて、ひと思いにやってみようか。
どうきりだしたらよいのか。

「アルフレッド・プルーフロックの恋歌」 T・S・エリオット



さあ、一緒に出かけよう、私とあなたと

麻酔かけられ鎮静剤飲まされ拘禁服着せられ横たわり
もう若くないからなんて言ってる莫迦な頭を張り飛ばせ
だいたいこれは全部あなたのせいなのだから
今夜の食事なんか心配しないで
大丈夫、コンビニで弁当とお茶を買えばいい
なんならビールとジャーキーも
しゃきりと顔あげ曇る眼鏡を拭いてみれば
知り尽くしたはずの街に見慣れぬシグナル
窓はみんな割れてしまった
三角の窓も王国の
[次のページ]
戻る   Point(4)