ぽえむ君−時空−/ぽえむ君
 
ぼくは詩人

わかっているようでも
未知にはじまり
謎で終わる
ことの方が多い

今日もまた

朝の散歩をしていると
クモに出会いました

不気味に大きく巣を張って
ひたすらじっとしている

何を考えているのか
動かぬ木々の間の中で

目の前を蛾が通り過ぎる
クモは動かない
空間を相手にしていない

哲学でも考えているのだろうか
正多角形の平面は
時とも無関係

詩でも創作しているのだろうか
時空に対して無であると同時に
その存在は有でありつつ
今ぼくと対峙している

わずかな風が
かすかに巣の網を揺らした

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい
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