64.1.7/黒川排除 (oldsoup)
 
その場を辿らせていた街路樹
永遠に続く並木道はもうない
休日の目抜き通りは灰色
露天の骨組みは確かに生きていた

冬に見た彼の目は痛く凍り
音を立てて燃える霧は呼吸される
下着専門店の窓は磨かれている
電灯は時を刻んでいた

白昼に落ちたる夜の帳
懐古の情も幾許と知らず
漫画雑誌を買い与えられ
重きに耐える幼年時代
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