ドア/砦希(ユキ)
 
かかっている
あたしはいつもベッドに寄りかかってマニュキアを落とす
そんなどこにでもある光景が
今は頭から離れない


たった一枚のドアに
あなたという存在があるだけで
あたしがどれだけ救われているのかなんて
たぶん
あなたには分かっていない


?

それでもあたしは
あなたではないし


?

この部屋にいないときにあなたが
何をやっていても多分
あたしは気にもとめない


?

だけど

傷付いていなければいいなんて

底抜けに明るいあなたの
絶えることのない笑顔を望むよ
その裏に隠れた悲しみを
知っているから

  
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