『街』/しろいぬ
 
なにもない街で

宛のない言葉を吐く

悲しみと喜びと

妬みと慈しみに縁取られたそれは

昏い空に浮かんで じわりと溶けた


手を繋いだ先に なにかあると 信じた

たとえ一時だとしても


さよなら と 言うよ

悲しみと喜びと

妬みと慈しみを込めて

さよなら と 手を振るよ


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