外燃するわたし/たりぽん(大理 奔)
飛砂を焼こうと
たどり着く海岸で
瞼を閉じたときに
ひらく瞳(アイリス)
あかいのは
すべてが染まる音で
あなたとの間には
愛以外のなにかが潜んでいた
私はもう 私のための旅に出ない
たどりつけない場所は
いつもたどり着いた先にあって影だけが
はりついている
影の名前が私のなまえ
濃度や長さを
たがえながら
張り付いているなまえ
飛砂は焼かれ
すっかり
瞼に透かした空の色
そのままとどかない距離で
あなたの名前も影のなまえ
角度や位置を
たがえて
交わらない存在の、
灼かれている
熱量を胸に移して
熱量をこの胸に移して
交わらない存在の、
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