遠近/
春日響
歳が離れすぎていた
ふん 言うと
可愛いって彼は尚更笑うだけ
あたしはもっと膨れっつら
ぷん!
猫みたいに喉元を撫でた彼
歳が離れすぎていた
くすぐったい
あたしは猫じゃないよ
あたしはすごく頑固なんだってば
顔を逸らしてばかりいた
ぽわぽわ降る陽射し
ね あったかいね
言おうと思ったけど
伝えたいなと思ったけど
はち切れんばかりに膨らんだ頬が邪魔した
ちらと見た
彼
背もたれにもたれて微笑んでいる
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