君に/水在らあらあ
君に
君の心と僕の言葉が反対を向いてどうしようもない時は
僕のことをへちまのちんちくりんと見なして
うっちゃってくれればいいよ
僕は少し酢とかにんにくとか
鼠の尻尾とかラヴェンダーとか思い出だとかさ
そんなことにやられているだけだから
油の浮いた港の水に
漂う鰡の腹の白さに
火で焙ったタアルの匂いに
神をけなす言葉に
ローズマリーに
錆びた釘に
レモングラスに
薔薇の棘に
鳴り止まない賛美歌のなかで
命をほったらかして
駄々こねているだけだから
呪われたふりをして
美しい
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