交差点/
佐藤伊織
夜の交差点で
信号待ちをしてると
湿った風が吹いてきて
自分の命が
カラカラと音をたてて
笑いはじめる
ひきつった顔をいつまで
つづけているの
心なんて形は
ないもの
どこかで消えるまでは
いつも死んでいるんだ
命は
ただわらうんだ
命は
ただ
信号機の色が変わり
アスファルトが青く染まる
ただ風景の中に溶けていく
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