ONYOKU/
jei
心臓は
夜の快音には
同化せずに
二回、呼吸停止
一回、微笑
フルボリュームの
オーディオ。
音浴しても
注がれずに
ちりちりと星がくだける
冷音域
手なずけられぬこの会いたさ や
失った手のひらがつかんだ自由は
夜の底ごと
ぼう然と
口をあけた
まま
流されて
けぶっていく
音の煙幕
青く
ゆっくり傾いていく壁に
見つめられて
胸
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