呼吸と心臓/美味
一秒単位で締め付ける
居たたまれなくなって溜め息を吐こうにも
あなたを起こしてはいけないから
寸前で飲み込んだ
窓の外から差し込む月明かりが
あなたの顔を真っ白に照らすと
それは、死んでしまったのではないのかと
思うくらい真っ白で
綺麗で、すごく怖かった
微かに聞こえる頼りない寝息が
あなたの生を保っている
結局、私は何もしてあげられない
無いと死んでしまう呼吸にはなれないのだ
考えてしまうと、もう止まらなくて
どうしようもなくて、少し泣いた
ねぇ、あなた
無理しないでね
辛かったら言ってね
お願い
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