星屑の遊戯/エラ
 
部屋を犯していく煤の様な夜には、
明かりをひとつ点けて眠る。
だって、侵食されたらたまらないでしょう。
チェコアニメの映像を、繰り返し繰り返し、観ている様な感覚。
フィルムが絡まって、映像が乱れたらお仕舞い。

カラカラカラ、カラカラカラ、

自分が宙に浮いているような、感覚がしてならない。
こんな日に誰かと話をしてしまえば、
何か重要な世界の秘密について、話してしまいそうでならない。
口を摘むいでしまえば、聴こえるのは踏み切り音だけ。

カンカンカン、カンカンカン、


希望的観測は、見つかりそうですか。

いいえ、まだ。

そう、それは残念です。

そう、残念でなりません。

あすこに見える、雪灯はなんでしょうか。

あすこにいるのは、子羊の一等星です。

可愛らしいですね。

可愛らしいですと。

え、なにかいけませんか。

ええ、あいつは人を喰うのです。

そいつは、恐ろしい生き物だ。

見なかったことにしよう。

見なかったことにしよう。

 
しんしんしん、

しんしんしん。 


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