環境矛盾/ZUZU
 
布団のなかで
好きだった本や
好きだった歌や
好きだった人のこと
考えてみる
それだけなら電気はいらない
暗くなってもさびしくはない

人間の胃袋がまいにちふくらんでいる
それは比喩ではない
いまにすべての生き物も草花も食べ尽くしてしまうだろう
しかもそんなに先のことではない

腹が減ったこどものまえで
どんな愛も有効ではない
経済のためには流れ続ける公害を止めることはむずかしい
だけど終わりはそんなに先のことではないのだ

空は暗くなり
海はどろどろに濁り
地は禿げ上がり
ふるびた詩集のことばだけがみずみずしいほどに虚しい

国を愛するなんて
のんきなことを教育している場合なのだろうか
深夜の三時にあかあかと灯るコンビニに誘われる
いらないのにアイスクリームを買ってしまう






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