ぽえむ君−配達−/ぽえむ君
 
ぼくは詩人

自分に配達されたものを見ると
なぜか気持ちがわくわくする
たとえそれが
どんなにつまらないものでも

今日もまた

朝の散歩をしていると
郵便屋さんに出会いました

真っ赤なバイクで
エンジン音を響かせながら
たくさんの手紙を後ろに載せて

ぼくを通り過ぎたあと
辺りは急に静けさが戻りました

なぜかちょっと寂しい

そのとき
心地よい風が
ふぅと吹いてきました

その風はこれからここで育つ木々や
草花や小川の水の流れや動物たちに
新しい力を与えるかのよう

それは自然への配達

ぼくの周りの風景は
みんなわくわくしている

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい
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