13/霜天
 
足跡は
続いていく交差点の
その先に落ちている
踏締めるには少しだけ、遠い景色

よくありそうな一日を
(転がるように)


 *


無駄なことだと、言葉にしたものと
無駄なものだと、言葉に出来たことと
僕らが言葉に出来なかったものたちと

ひとつの点が落ちるように、なればいい

今、筆先にて


 *


本を売っていた友達を
僕らはそのまま「本」と呼んだ
ここから先へ手紙を書こう
集まる筆先に順番をつけて

後は、ここに来てくれるのを待つだけだ


 *


長い廊下の先には
窓の無い部屋がある
カーテンだけは揃ってい
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