*満腹なおおかみ*/かおる
 
狼も自分が殺される前にぶっつぶしてしまえと吠えたて
黄色狼は神の御名を叫びながら、自滅していく。
ガリガリ狼は、何故か、高波に攫われて沈んでいく。
縦縞狼は文化風呂敷きを広げ、花見の真最中
横縞狼は たいはいを飲み干し、カラオケをがなっている

穏やかな春の日が
いつの間にか翳り、
菜の花畑に
朧月夜が浮かんで参りました。
影灯籠が映し出す絵巻が
クルクルと
走馬灯のようにまわり、
謳い出す。
狼君の閉じた瞼から、
ツツツゥーと涙が一粒
ほろりと
あふれてきました。
なにが正しいかなんてわかりやしない。
それでもヤッパリ、
お腹が一杯なのでした。

オシマイ

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