残業火事/黒川排除 (oldsoup)
突端優れている庭地下は声だらけ
黄いろい夕方の目的を記しておく
今朝とれた野菜くすくすくすぶる食卓
粉持ち歩く助手自身既に粉の一部
引っ越し終わるまず峠を箱から出し掛ける
冷めた廊下に蜥蜴が這う皆さん、静粛に
かれら婚姻赤い煙でいぶしだされ
おそらく屋上を今走っているまっすぐ
ぶつけたペンキみたいな太陽に角欠く牛
腋から肩へひゅっと抜けたトビウオをはたく
疼く廃墟比喩ではないので火をつけにいく
杭見上げれば看板足見上げれば孔雀
泥から膝抜いて去年知る
コピーとる燃え盛る森の近くで
遠くで一度仮面落ちる音招かれざる客
小路、震えるぼくらを見守る笑顔は雨に濡れない
ぼんやりと立っている衣がうしろめたい
ときに白鳥大量の爪を隠し
山を打つ我にかえってまた山を打つ
疎まれし鉄屏風絶景に錆をうつす
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