ぽえむ君−看板−/ぽえむ君
 
ぼくは詩人

何か見ると
時として思い出や未来まで
見えるのかもしれない

今日もまた

朝の散歩をしていると
看板に出会いました

捨てられてしまった看板
すでにもう泥だらけ
角の一つは地面に刺さっている

矢印とわずかな言葉だけしか
書かれていない

 ここから見られます

どこに立てられていたのだろう
何が見えるというのだろう

今でも見えるのだろうか

ぼくはその看板の矢印の方向を向いた

あっ
見えた

どうやら見えるものは
その人によって
その心によって
違うようだ

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい
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