異形の詩歴書 13歳/佐々宝砂
 
 13歳の私は、キャプテン・フューチャーと火星シリーズと栗本薫の小説を愛した。それらの本はすべて母が母自身のために買ったものだった。母が買ってくる本はだいたいが私の趣味にあっていたし、面白くもあったので、私はあえて母に反抗しようとは思わなかった。母は、私が自分で買う本を検閲したりはしなかった。私自身も、母の期待に応えるかのように、マンガではなく純文学とSFばかりを買ってきた。たとえば、13歳の私は『白鯨』と『エスパイ』とツルゲーネフの小説とドリトル先生のシリーズを自分で買ってきて読んでいる。このころすでに、幅広く分野を問わずかつ偏った、現在の私とさほど変わらぬ読書傾向ができあがっていた。そして私の
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