僕の世界が渇く頃/完食
 
漣の、
さざなみの
小さな揺らめき

静かで綺麗な世界で

記憶の姿、そのままに
君は青い海底へゆっくり
沈んでいった

海に落ちて
もう戻らない

記憶、感触

窓からは、君の居なくなった
風景だけがゆっくり
過ぎていって

時に流れて
もう戻らない

愛情、激情

二人分の足跡を刻んでいた
浜辺は一人分の
足跡を残して

漣にさらわれていく

記憶、感触が
ゆっくりとゆっくりと
一つずつ流されて、消えゆく

揺らめいては
何処かへと

さらわれ

もう戻

らな


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