【物語詩】若き詩人の夢の遍歴〜Sweet,Eastward away/AKINONA
 
い娘達の切れ長の瞳
黒い髪に香る没薬の甘い香りを思い浮かべ
白い天幕の中で眠りながら

そして友と共に勇敢に戦った私は
華々しい勝利を手に凱旋するでしょう
すると 人々の手で祝いの花々が撒かれ
石畳から白い砂埃と共に舞い上がり
砦の祝砲が一斉に打ち鳴らされるのです

そして師よ 私の師よ
私はまだ若いのです
まだ若いとはいえ 勝利の盃に注がれる強く芳醇な美酒の味や
今だ知らぬとはいえ 宴の後に待つ乙女との甘美なあのひとときを
筆先に迸る想像力の翼に身を任せ 夜毎羊皮紙に綴ることが
悪いことであるはずはありません

「老詩人の若き弟子」改題(4/12)

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