雨に素粒子/a.u.i.
八時、駅に
そういえば昨日はずいぶん言葉を素粒子に引き渡したな、
そう思った後、紛れてゆく私の煙
冷蔵庫の開く重低音
ただいま、
ソーリー、と軽やかにマルキューを見上げる外人さんをかわし
歩道よりも車道へ
じゃぁ、この一段を降りたら タイムスリップしたいよ
トンッ
前に出してみる右足
あぁ タクシーってみんな血の気の多い目をしてるんだね
殺気立ったオームみたいにして列を成してる
じゃぁ、あの扉を、この扉を 開けたらラピュタへ行けるの?
みんな運転手に言う
『ラピュタまで、』
ラピュタまで。
板ばさみの人
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