雨に素粒子/a.u.i.
 
八時、駅に
  そういえば昨日はずいぶん言葉を素粒子に引き渡したな、
そう思った後、紛れてゆく私の煙
冷蔵庫の開く重低音
ただいま、


ソーリー、と軽やかにマルキューを見上げる外人さんをかわし
歩道よりも車道へ
  じゃぁ、この一段を降りたら タイムスリップしたいよ
トンッ
前に出してみる右足
あぁ タクシーってみんな血の気の多い目をしてるんだね
殺気立ったオームみたいにして列を成してる
  じゃぁ、あの扉を、この扉を 開けたらラピュタへ行けるの?
みんな運転手に言う
  『ラピュタまで、』








ラピュタまで。


板ばさみの人
[次のページ]
戻る   Point(7)