人妻キューブ/ヨルノテガム
 


毎夜現れるヤモリの訪問に

雨の湿りっけを感じ撫でていた

人妻は わたしと入れ代わりませんか?と

半ばおとぎばなしのように

ヤモリに

語りかけてしまった








人妻手足が垂直の外壁面を捉えて

人妻ピタピタ階下へ降りていったのは

闇夜の雨上がりであった


足下近くまで 腹這いになってやって来て、

早くあなたも腐らないかしら と

主人の足首をおいしそうに人妻見つめたのは、

さわやかで

晴れ晴れとした

底抜けの人妻草原の面顔であった














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