雨のちそれ/
かぜきり
それがいつもの常である
変わらぬ桜がそれにある
雨の飽和した合間にそれとある
傘を大きく膨らませてそれを聴き
まつろわぬのはいずれかとそれととい
ぬかるむ根元にてそれを待ち
濡れた手でそっと叩くそれとなる
未だ雨と包むそれに触れ
それを抱いて時を待つ
それを畳んでそっと置き
合間のそれによりかかり
それをふくんでそれととう
ときをまたずにそれと待つ
ちりゆくそれを雨と待つ
戻る
編
削
Point
(1)