台風が近づいていた/たもつ
 


女房と二人で梅干づくりをする。
台風が近づいている。
空は青く晴れているが、蒸し暑く
窓から入ってくる風は生暖かい。
梅の実のいい匂いがする。
昨日、兄嫁の実家からいただいてきたものだ。
自分の実家にお裾分けし、女房の実家にも送った。
それでも10キロ残った。

水で洗った梅の実を一つずつタオルで拭いて水気を取る。
兄は企業で研究開発をしているが、会社が合併することになり
来年の三月にはリストラされることが決まっている。
会社は次の就職先を斡旋してくれたものの契約は三年間。
兄は今の内に退職し次の就職先を自力でみつけようと本気で考えている。
つまようじでヘタを
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