弘前のあなた/
恋月 ぴの
きっと 忘れたりはしない
弘前のあなた 白塗り壁の穢れなさ
汚れてしまった わたくしには 眩しすぎて
顔を上げることさえ 叶わぬままに
好き
嫌い
好き
嫌い
好き
ほら やっぱり 愛されている わたくし
立派な石垣伝いに歩いていくと
やがて大きな日時計に出会います
日陰棒に吊るされた わたくしの過去
風に舞うあなたの姿に誘われて
ねえ あのしわがれた歌声 聴こえてきますか
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