ぽえむ君−旅人−/ぽえむ君
 
ぼくは詩人

旅には様々な形があり
その目的は心の充足

今日もまた

朝の散歩をしていると
旅人に出会いました

彼はメモ帳を取り出して
いろいろな場所での
たくさんの思い出を
ぼくに聞かせてくれました

うらやましそうに聞いていると
彼はぼくに

 君だって旅をしているじゃないか
 そう
 言葉の旅にね

と微笑みながら言いました

ぼくが返事の言葉をあれこれと
想っているうちに
いつのまにかその旅人は
どこかに行ってしまいました

彼がいた場所には
何も書かれていない
1枚のメモ帳の切れ端が落ちていました

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい
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