にわか雨、虹が架かった/美味
 
いつでも白詰草の匂いが
シャツに染み付いていたっけ
町が見下ろせる丘で
毎日飽きもせずに追いかけっこ
明日が来ないなんて
想像も出来ない夕焼けに
僕ら、ちっぽけな勇気を
掲げて胸を張った
早く大人になりたいって
語り合う夢は果てしなく
それでもずっと友達でいよう
指きりで固い約束を交わした

そうだ僕らは
何が正しくて
何が正しくないのか
一番分かっている
多分大人よりも
この想いは
きっと守らなきゃいけない
大人になった時に
また白詰草の丘に
帰ってこられるように

突然のにわか雨に
すっかりびしょ濡れになったけど
それを忘れるくらい
綺麗な虹が架かった




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