空が霞む/
春日響
そのとき人間に還る
温かい涙を流す
あたしは鉄の塊
その体温であたかもチョコレートのよう。
あたしは解ける
芽が生える
とどまることなく伸びてゆく
嗚呼春がきた
蓋をするのはあなたの身体
あたしの愛を許さない
鉄に還るあたしの全て
華が散る
ロマンティックなあなただから
あたしに百合を捧げたの
ただ去っていく
ただ去っていく
冷たくあたしは冷えていく
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