青空の神話/まどろむ海月
 



昔々 いつまでもいつまでも青空が続き 
ついに空の青さが 星空のむこうにとどくほど 
深く窮まってしまったことがありました
空は自分の痛々しいまでの青さの窮みに
ついにたえられなくなったかのように
孤高の極点に 真っ白な馬を生み出しました
白馬は 青空の深い深い窮みから離れると 
あふれる力をみなぎらせて 
何処へともなく走り去りました

白馬が走り去ってから 
永遠と思われるほどの 時間がたったのでしょうか 
青空は 喪失の悲しみ故に 
長く長くふるえておりましたが
悲しみは ついに たおやかな白い鳥の形となって 
白馬の行方を求め 旅立ちました

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