桜のステンドグラス/Lucy.M.千鶴
 
少し先にきた きみが
待合室の 窓辺に座っている

雨まじりの桜吹雪は
きみの横顔を 埋め尽くしながら
ガラスに貼りついて

春のステンドグラスを 創ってゆく

いたわり合うように ひかれ合った
どこか 子犬のように 慕う きみは
まだ 15。

四十路 間近の
わたしの 汚れた 純愛など
きみに 告げる 勇気

なかった
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