クリスマスオーナメント/篠有里
まるで他人事のように
あくまでも
文章上の
単純で
ささやかな
誤りによって
とうとう見つけた
それは知らない
わたしの
クリスマスオーナメント
二層グラディエーション
もう二度と手放せない
どうしても
それは薄く煙って
白くは見えないのだけど
それはそれ
どうしても白くは見えないのだけど
誰にも責められないうちに
終わりは必ずやってくる
ほんの小さな間違いは
雪の上にかたちを残さないで
残された
彼らの一方である
黒い男と
合葬する明日
見つからないように
離れないで
歌を歌えば
わたしはクリスマスオーナメントを持って
走り去る
そこはそれ
手にするすべてがすべて真実
もう、これ以上
わたしのクリスマスオーナメント
を探さないで
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