つき/すぬかんながぐつ。 
 
旅に終わりはくるのかとみあぐるそらに
  つき かたぶきぬ

古の唄のまねなどするわれに
  今宵の よぞら やさしく あけぬ

旋律とは 音であるのか りずむであるのか
  太古の森に やさしく ささやく

オトノその 向こうの なにか
  抱きしめて われのモトニ 誘わんとす

この国の むこうにあるもの 何なのか
  吾の うでで いま いだかんとす

魂の そのサキニ 在るもの 
  捕まえて
やさしく 我は にんぎょの 泡に

音楽とは 結局は そのようなものなのか
  言葉の森も いつかは 海に 

太古より 囁く 海と 風なれど
   今 この星は なにを 思わん

   平成 十八年 四月 四日 京都












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