自棄/松本 卓也
 

分かり合えるはずもない
晒すたびに逃げていく影を
追いかける視線を潰してしまえば
もっともっと強く生きれた
もっとましに暮らしていけた
もっと確かに自分であれた

絶望だとか失望だとか
そんな生温さが懐かしく思う
余裕が無ければ綴れない言葉だ
今このやり場の無さをぶつけて
白紙に血反吐で文字を刻み込みながら
俺を嘲笑う人々の視線を
見返すくらいしかできないのか

俺はそんなに無力で
無価値な生き様しか残せないまま
忘却に攫われるしかないのか

誰か教えてくれ
救ってくれとは言わないから
教えて

助けて

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