悲しいね。/ala
 
何時も強く元気だった。
そんな貴女が、
どんどんと弱っていく。

有った食欲は無くなり、
楽しみだと言った旅行も無くなり、
好きだと言ったお茶も、
今ではもう昔程口にしない。

日向の窓際。
貴女は以前と変わらずに座っている。
でも確実に、
少しづつ少しづつ
蝕まれた体は横たわる事が多くなった。
目を瞑り、
腕を枕に、
微かな息遣いで夢を見る。

そんな中、
母はポツリと漏らした。

「もう後少しなのは解ってる、だからわざわざ思い出させないで」

後で知った、
その日彼女の姉から連絡があったのだ。

そんな姿を見ながら、
もしあと少ししか一緒に過ごす時間がないのなら、
貴女に小さな幸せが有れば良いと思う。
ましてや、
その幸せに私がなれたなら、
私自身も幸せなのだと思った。

あぁ、
信じてもいない神よ。
もし居るならば
都合の良い願いを叶えて下さい。

総ての死に安息を。

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