say yes!/腰抜け若鶏
 
立ちはだかる突風の勢いに弱まる気配はなく
豪雨と雷鳴がうちつける激しい嵐の予感さえする
冷たい風が骨の髄まで凍みてきて
奥歯がガタガタ言い始める
だから俺はぐっと強く奥歯を噛み締めた

猛烈な勢いで圧し掛かるこの逆風は
紛れもない“俺”が生きてるって証なんだ
俺の目には栄光を掴む自分の背中しか見えちゃいない

風に逆らうなんていけない、できない、やめなさい
たとえあなたが間違っていなくても
たとえあなたが正しくても
いずれは必ずその命の炎が吹き消されてしまうから

それでもいいんだ

人は誰でも死ぬ瞬間に自分自身に問いかけるんだ
「お前は誠実であったか?お前は善
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