コントラスト/ススメ
 

少し肌をつねる空気のカーテンは
朝靄越しの日の出に溶け込み
乱れたブルーのシーツは純白に輝いていた
そのことは
僕たちの意味を
心は否定しても世界は肯定していたと思わせた
彼女の薄紅の唇と淡い眼光は
この世界のコントラストそのものだった
遠くのエンジン音
それは世界の歯車の音
近くの鼓動音
これは世界のメトロノームの音
彼女の欠伸
僕の遅刻

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