Op.14 季節のタブロー(春)/
恋月 ぴの
涸れ果てた喉を潤す故に
あなたは涅槃まで水を引くという
(お空あお過ぎて
(わたくしの心模様もあお過ぎるのかしら
あお空を見上げ続けることは
あまりにもつらくて虚しいから
(もう飽きたと言うべきなのね
(わたくしたちの関係
転寝のとばりに桜散る
ふたり 追い求めてきたはずの
あお空は 今はもう遠い過去になって
名も知らぬ花に惚れてみたい
風に揺れて定まらぬ視線の奥に
そっと抱きかかえてみる
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