<童話> 道と牛飼いと子供と旅人と君のこと/クリ
取りました
牛飼いはまた 牛を牽き
何かに祈って 行きました
も少し行った 畑の側で
小さな子供に逢いました
めそめそ泣いてる 男の子
しくしく泣いてる 女の子
道はとっても気の毒で
迷路を作ってあげました
おっかなびっくり 二人の子供
迷路の中で 行ったり来たり
いつでも一緒に 行きました
どこも不思議な部屋ばかり
お花が咲いた 春の部屋
真っ白だらけ 冬の部屋
小鳥が歌う 朝の部屋
なんだか恐い 夜の部屋
嫌な臭いの 憎しみの部屋
何にも持たない 思い遣りの部屋
やっと出口に着いたころ
呼んでる声がしてました
めそめそ泣いて
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)