まぶたの裏に/
 
明かりの無い部屋の片隅
目を開けて 僅か
閉じる

暗闇を見つめることはいつも難しい


閉じることで
そこに何が生まれているのかを知りたかった

同じことで
閉じたところで何も見えない
なのに
どうして内側に行きたがるのか 

佇む安心感に 
いつの間に 慣れたのか


ぼやけたスクリーンの中に
映し出される 断片
忘れた日々が流れていく

まぶたの裏を見つめながら

同じ暗闇を
嘘で覆い隠している


明日

窓の外
から
分厚いカーテンの隙間
から
漏れてくる
光は

やはり
眩しすぎるだろうか



何も生まれないことを
ゆっくりと
知り始めた夜に

偽れない昨日と
やってくる朝のことを 思った

開いた目が 

暗い壁の隅と
消してある蛍光灯を 見ていた

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