Wandering/篠有里
 
する徘徊.exe
自らが望んで作ったダンジョンを進んでいく
オートマッピング ナビゲーター 次々に起動して
いくつもの嘘が飛び立った 空は黒く染まる
死んでしまったオリジナルがそこにいるはず

いつもそれは一つだ 飛び立てないそれは
刈り込まれた偽の観葉植物と物事の側面
入ってはいけないという場所 だからこそ
禁止は強い肯定 赤い文字で書かれた禁止/肯定
さよなら 望むべくも無い終わり方

飛んでいけ!
「…」の間隙(ちんもくのすきま)を縫って飛んでいけ!
気が狂いそうな羽音を立てながら さざめいて
俺の中から飛んでいけ 腐った果実が
ぶつぶつと地に落ちるように 食いちぎって!

多分、海に行く
俺は海に行くはず 腕を切って
空と海とが薄紫に交わるところに泳ぎ着くはず
リズムが聞こえる 終わりは今も塀の上で
オリジナルと共に 砕け散るのを待っている
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