ぽえむ君−笑顔−/ぽえむ君
ぼくは詩人
自分の気持ちに正直に
なるべくそのままを伝えたい
それはぼくの信念
それはみんなへの信頼
今日もまた
朝の散歩をしていると
登校途中の少年に出会った
うつむいて歩く
どうやら友だちから借りた本を
失くしたらしい
悩みを打ち明けた少年に
本は失っても友情は失わないから
と勇気を与えた
ありきたりな言葉だった
少年も小さく うん としか言わない
下を向いたままぼくを通り過ぎていく
お互い背を向けて数歩
少年はふりかえって
ありがとう
今のこの少年がもつ
精一杯の作り笑顔は
隠すことはできなかった
気持ちに言葉はいらない
明日もまた
言葉のない詩を作りたい
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