流星雨、私を湿らせて/たりぽん(大理 奔)
 
枯れ葉を踏みしめていく
君の背のように湿った、足取りで
雪はまだ時間を閉ざそうと
道端で爪を研いでいる

忘れようと辿り着いたのに
捨て去るなと
朽ちかけた木橋が
つららを流す渓流で

  閉ざされたのは、自分だった
  自分の中の、自分だった
  自分の中の、自分の中の、自分だった
  でも、すべて自分だった

曇り空を裂いて、晩冬の日差しが
分け隔てなく、すべての自分を貫く
永遠すら熱を帯びるために
その身を燃やすから、無限ではない

  限りがあるから
  あんなぼんやり灯っていても
  集落の息づかいが
  耳元で聞こえるのだろう

君の背が湿っているのを
感じるのは、この手のひら
もう、ぬくもりまで掴み取るように
五体投地で抱きしめたら

閉ざされたはずの時間が
朝と夜、すべての露を含んで
(さあ、雪をとかして)

流星雨の疾る夜に
私を湿らせるだろうか



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