木蓮−CALL TO ME−/蒸発王
 

墨をすりました
貴方の後ろ姿しか見えない
あの夢の景色を


【賽(サイコロ)】
振ったのは私
投げたのは貴方
出た目の数の偶然も
進む方向の必然も
上手くは転がりませんでしたね


【白木蓮】
一億年の月日の間
変わらずに在り続け
豊かな花弁は全開せずに
包み込むように空に伸びる
不変と永遠の象徴
貴方のようだ




もしもし

そこにいますか



木蓮の花が咲いたら

私を呼んで下さい


包み込むようにしか開かない花弁は
その時やっと全開するのです
貴方の声を受信するために
永遠は形を変えて
繋げていくのです
肉体と文字と言葉と宿運が
声が
繋がる永遠にして


 呼ぶ



余韻は彼方へ
波紋は細胞へ
震えがほとばしり


また
繋がっていくのです


私を呼んで下さい


白木蓮の咲く
あの場所で

私を呼んで下さい




それで全て


それが全て



全て







戻る   Point(2)